SNSは為政者による薬漬け。 橘玲『裏道を行けディストピア世界をHACKする』書評。

文字数: 1185

 SNSそのものが

危険すぎる。

 本書に貫徹するテーマを即効性がある感じにざっくらばん要約すると、こういう結論になる。

 冷徹で理性的な橘玲さんが主張するぐらいのだから、今生きている君たちの前提そのものがぶち壊れそうだが、無理もない。陰謀論でもなんでもなくて、僕たちの生きている現実そのものだからだ。

 具体的に言えば、漠然としたいいねを気にしたり、統計的にSNS漬けになって、かつ若者の頃からSNSにハマり続け、クリエイター側やまだ自炊できる方々はともかく、自主メディアを持てない(モテない?)方々はどんどんと差をつけられて、無理ゲー社会へと分断されていく。

 つまり、Twitterにいるアンチフェミニズムや殺傷事件者と受験エリート、コロナ反自粛派とコロナ自粛派、どちらも極端なのに同じ世界に生きていて、どちらもまったく一方的で正しくないのにも関わらず正しいのだ、と言い合うしかなくなっているけど、お互いにお互いがSNSの陰謀論じみた最適化によって見えない(見たくない?)ディストピア(ユートピア)になっていて、

今読んでいる貴方そのものが踏み絵を踏まされている(俺は関係ない?)のだ。

 本書では、シンプルだが、SNSそのものがそもそもなぜ今ハマってしまうのか?を具体的に書いたり、なぜ非モテと殺傷事件の裏で、平和に見える知識社会の勝ち組たちは的外れに平和なんだよと喧伝してパニクるのかがこと細かに書かれていて、橘玲節も相変わらずだ。というか、橘玲さん、情報量、エヴィデンスが多すぎですよ(笑)(笑っている場合じゃない?)。

 本書には様々な現代の諸問題のハック法が書かれていて、貴方自身の加害性も丸裸にされていく。

 面白いのは、ネットのメンヘラは嘘つき、バイアスなどが分かる言及などだが、まあ色々と面白い。

 ただ一つ強調したいのは、頭が良すぎる人間、たとえば、ひろゆきさんやGAFAの人間は読んでもつまらないかもしれない。

 橘玲さん、そして今回の書物は、ハックを主眼にしており、またまえがきとあとがきを読めば分かる通り、SNSに洗脳されていく日本の若者へ向けて書いた1つの置き手紙だ。

 むしろ頭が良すぎる人間には不都合な真実が数々書かれていて、むしろ己の加害性に直面しそうになりながらも、二重思考で避けるかもしれない。

 本書は恋愛やSNSだけではなく、金融や人生、おなじみの認知科学まで様々なエッセンスが書かれていて、上質な読書体験ができる、ある種、贅沢なムダがある一作だ。

 SNSそのものの先、また、SNSと現実が融合するメタバース的なメリットも書かれたこの一作はぜひ贅沢な若者は堪能していただきたい。

 ググるな。

 ダラダラ、

読めー。