努力3.0🌷🐝

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勝ちにこだわって計算ばかりし、孤独に練習する追い込み型の根性論が努力1.0とするならば、失敗してもむしろそこから学び、仲間と共に高め合うジャンプ的根性論が努力2.0だ。

これは東大卒プロゲーマーのときどが自身の経験から編み出した考え方で、つまるところ努力のための努力という物語に固執せず、行動する中から柔軟に学びを得ていけという話なのだが、とはいえ、受験勉強とゲーセン通いの往復を例に語られていたように、眼前に人参をぶら下げて走るゲーミフィケーション的なルーティンでサボりを防止する面もあり、自分を律する必要があることに変わりはない。

それができないスマホ依存の怠け者のために考えたいのが、自分から動くのは最小限に抑え、第三者を働かせて拡散してもらう、もはや根性論ですらない努力3.0である。

そこで参考になるのが、花と虫のWIN-WINの関係、循環する自然のメカニズムである。

例えば、ミツバチは花から蜜を吸うが、その代わりに花粉を運ぶ。そしてミツバチが運んだ花粉はめしべで受粉し、また新たな花を咲かせる。そこにまたミツバチが蜜を吸いに来て…といった風に、花とミツバチのパートナーシップは続いていく。

置かれた場所にしか咲けない花は、ミツバチというポリネーターに繁殖を手伝って貰うことで遺伝子を拡散するわけだが、努力3.0で必要なのは花がミツバチをおびき寄せるために放つ甘い香りと蜜である。

もう少し具体的に言うならば、自分を大きく見せるハッタリ術と私はこういうキャラクターですよとひと舐めで理解させるセルフブランディング力のことで、これさえ持っていれば、遊び感覚で情報発信していても、おのずとミツバチが現れるだろう。

努力3.0で必要なのは、いつかプロデューサーの方から売り込みをかけに来てくれるようになると信じてアイドル的個性を磨き、じっと待つ、ただそれだけである。

自分は橋本環奈や森七菜なのだから、九州の片田舎にいようがスカウトの声がかかるはずだと思い込む、これが意外と形になる。

ミツバチが見つかれば後はもう簡単で、働くことが大好きなミツバチは、1%の努力の結晶である花粉を方々に運び、各地に散らばった遺伝子が無数のコピーを生んでくれる。

こう見るとなんだかミツバチをこき使っているように思えるが、ミツバチも蜜という快を得ているのだからそう悪い話でもない。

花とミツバチの関係は互いが本能的に動いた結果、たまたま共生関係が築かれただけの一種のシステムなので、そこに助け合いの意識は生まれない。よって感情的なトラブルは起こりにくく長続きするだろう。

ただし、努力3.0は、俺はすごい!俺はすごい!とナルシストになってアピールし続ければ、周りが勝手に盛り上げる、と信じる言霊信仰なので絶対的な確実性はない。

勘違いしたままミツバチが現れずに枯れてしまう可能性も大いにあるだろう。

とはいえ、どうせ初めから怠け者なんだからなんてことはない。

努力の自家中毒で枯れることに比べたら、思い込みによって埋め尽くされた花畑で遊んで暮らす人生も悪くないだろう。