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発想のコア
だからだ。
身も蓋もないが、ニーチェもマルクスもポストモダンもラカンも保守も何もかも、
ヘーゲルの読み替えにすぎない。
なのに、さも新しいものが出たとぶつ切れで暗記してる。だから、哲学が難しいと感じちゃうし、哲学が使いこなせないし、鬱病キャラになってしまうのだ。
ヘーゲルは当たり前の事しか言っていない。そしてヘーゲルの間違い自体も人間はなぜ間違いを犯すのか?と意識しなければならない。ニーチェやマルクスを読んで、大衆は馬鹿だと言うのはたやすい。が、本当に君自身は馬鹿じゃないのか?そして馬鹿な大衆を乗り越えるほど頭が良いの?それが、ヘーゲルが指し示したものである。
ヘーゲル哲学の核心を分かりやすく要約すれば、可愛い子には旅をさせよ、ビルドゥングスロマン、教養小説から人間は逃れ切れないという当たり前の話である。
ヘーゲルが天才?
とんでもない!
成り上がりの田舎者で方言じみたドイツ語を語るみっとうもない風体だったという。しかも、字は汚い。
なのに、
大人気教師だったのだ。
どうしてか?それはもちろん実力もあるが、彼の時代が役に立っていた。
ヘーゲルは確か幼少期?老人期にフランス革命あたりのナポレオンの行進を見て、革命が社会を良くしてくれるだろう!と胸を広げていた。もちろんその革命で大量虐殺は発生するから、マルクスやニーチェは後にヘーゲルは馬鹿だったと定義づけするが、問題なのは、
ヘーゲルが大人気教師だったことだ。
見た目は最悪、字は汚い、しかも、抽象的な典型的な哲学的表現。
ヘーゲルは本当に馬鹿だったのだろうか?本当に馬鹿なら歴史に残るだろうか?
違う。
ヘーゲルは頭が悪い人々の現状を現実的に見れるが故に、愚かな間違いをしたのだ。
ヘーゲル自体は意外と冷静で、あれ…?マルクスやニーチェに近いけど、2人より核心ついたこと言ってね?ってよくある。
有名なのは、シュシュとクネヒト、王様と奴隷のジレンマだろう。
強者と弱者、健常者と非健常者、男と女、そういったあまりに過度すぎる二項対立で勝ったか負けたかを考える勝ち組、王様、リア充だって敗者を生み出そうと必死になって依存していると指摘する。
だから、そもそも王道の悪口を言う方も本当に王道を倒したいなら、それは弱者ビジネスだと言うのだ。あれ?ニーチェやマルクスに似ていて、しかも彼らの必死さを踏み越えた感があるじゃないか。
じゃあ、結局、ヘーゲルって天才なの?馬鹿なの?
天才だし馬鹿なのだろう。
現状がしっかり見えるでの、しっかりとした間違いだったのだ。
歴史的に見たら、ヘーゲルは間違えた。フランス革命?が弁証法的に社会を平和にして、国家こそが素晴らしいとザックリとは問いていた。しかも字は汚いし抽象的だしアジアに対する差別は酷い。ベタには原典は読むのが難解だろう。
が、逆に考えないといけない。
ヘーゲルのミスは計算可能性があったのではないか?と。
簡単に言うと、
ヘーゲルの犯したミス自体は、ヘーゲルは「あえて」織り込み済みで犯したのではないか?と。
詳しくは忘れたが、ヘーゲル自体はヘーゲル主義者を嫌っていて、何でも弁証法的に言う奴らを蔑視していたという手紙か記載があった。
そもそも、ヘーゲル哲学は矛盾している。
先程のヘーゲルの体系的発想と王様=奴隷は、彼自体が自己批判をする矛盾以外の何者でもないだろう。
ヘーゲルは謙虚だ。
生きる事そのものが反省して間違いを犯し続ける事を示唆させる大人な哲学者であったのかもしれない。
そう思うと、ニーチェやマルクスも素晴らしい哲学者だが、ヘーゲル批判として些末だろう。
そして、漠然と冷笑し、漠然と答えをくれる相対主義では、哲学は一生わからない。
現代思想は、ヘーゲル派と反ヘーゲル派、このパラダイムを手を品を変えて繰り返されているからだ。
逆に言うと、ヘーゲルの大人さに皆が到達できえないから、二流がたくさん生まれてくるのかもしれない。
二流でもなんでもないが、ニーチェとマルクスはヘーゲル批判から出発しているし(ニーチェは厳密には違うかも)、ラカンはヘーゲルの発想を心理学と実践に応用したわけで、逆に言うと、二流のラカニアンは、自分が精神分析者になったつもりで読もうとする鈍磨だ。ラカンは最悪な哲学者であり、本当に理解するという事は自身の鬱病の自覚、性癖の気持ち悪さの大反省などといった実務が伴わなければ、ラカン哲学を理解したとは言わない。当たり前だが、ラカンは医者であって、実務が伴わないただの本読みやYouTuber見は一生分かった気になりながら、一生を終えて、逆ルサンチマン的にラカンやヘーゲルに怒るアホさを後で発揮するだろう。
ヘーゲルは簡単では、ない。
いや、ヘーゲルの言葉がなぜ難しいのか。ラカンの言葉がなぜ難しいのか。
わざと、だ。
分かるのが体験では難しいんだよと宣言するためのレトリックなのだ。
分かった気にはなれないし、
気持ち悪すぎる高学歴弱者どもでは一生このレベルにはアクセスできないだろう。