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母ちゃん…。
俺様の頭脳は他人が勝手に埋め込んだ時点で、
初めから負けていて
勝ちすらも利用されていたのか。
結局の所、母ちゃんの善行も俺様の悪行も「運営者」がほくそ笑むために金儲けするために仕組まれたプロレスだったって事ですか。
母ちゃん…。
俺様は母ちゃんと仲良くさえいてれば、
なんでも良かった。
学歴もいいねもインフルエンサーも成功もカオスフォレストも
心底どうでもいい。
母ちゃんだけさえ幸せになってくれれば、なんでも良かった。母ちゃんの自己実現が達成されるのなら、俺はなんでもやった。
社会はどうでもいい。貴様ら視聴者もカオスフォレストの仲間もどうでもいい。貴様らは俺の母ちゃんの邪魔ばかりをしてきた。だから、
母ちゃんにだけは
認めてほしかった。
なのに…。
ソレなのに母ちゃんが望む社会的地位の方向へ行けば行くほど、母ちゃんとは仲良くなれなくなって完全に拗れてしまった。
母ちゃんの善も俺様の悪もきっとこの社会を維持する為の両輪、
似た者同士だった。
思うんですよ…。
俺様は天才だったと思っていたけど、そうじゃない。
能力を才能だと思う事こそが、
「奴ら」の罠だったんだと。
この俺様の能力は、貴様とあの進学校の天才達とエリート教師たちが勝手に
モブの俺様へ人造改造として強制インストロールされたという事実が。
この俺様の悪行も善行も全ては
踊らされていたって事ですか…。
人工的に作られた才能は要らなかった。
こんな論破能力も本がたくさん読めるのも本当はいらない。こんな能力は俺様の本当の人格データではない。後から強制インストロールされたものである。俺様は論破も本当はしたくなかったし、本も本当は読みたくなかった。本当だ。
だけど、国家システムを信仰する
母ちゃんが喜んでくれるから…。
母ちゃん…。全ては母ちゃんのためだった。母さんだけが笑ってくれたら、それで良かった!そして、それを俺様は一生に渡って社会に利用されて、永遠に憎しみ合うように、しかし!母ちゃんと仲良くなるように愛情のラットラースを社会システム、受験、就活、家族でされたいたのか…。
しかもあまりに母ちゃんを社会という宗教が苦しめるから、俺様は批評の勉強を志したんだ。母ちゃんを苦しめる悪の諸言を発見したら、敵対せざるおえなくなった。
母ちゃん。ただ俺様は根源的には恨んでいないさ。
俺はただ「リベラル」な母ちゃんが喜んでくれるなら、なんでも良かっただけだったんだ。本当だよ。それしか今まで考えた事がない。母ちゃんがいくら俺様を嫌おうと俺様は全く母ちゃんを根源的に恨んだ事はない。ただ母ちゃんが喜んでくれたら、それで良かった。そうだ!母ちゃんから目ん玉を取られようと殴なれようと、全ては母ちゃんが喜んでくれるのなら、どんなことだってやりたかった。だけど…、無理なんだよ。どんなに頑張ってもどんなに頑張っても俺様より上の奴隷はいるんだよ。どんなに頑張ってもどんなに頑張っても俺様より上の奴隷はいるんだよ。彼らも悪気はないんだよ、母ちゃん。全ては母ちゃんが侵攻するシュビラが悪いんだよ。
母ちゃん…。
俺様が黒く手を汚すハメになったのは、貴方の白い野望を叶えるためだった。俺様の評価経済が悪くなろうと構わない。だけど母ちゃんは白く白くより白く輝いていなければ。
そして、
失敗作の真相に気づいた人造人間は
処刑台という火祭りに当の奴隷である
嫉妬したクズどもによって
駆逐されるわけですか…。
くっくっくっく…。
まるで俺達は蟻だな。くっくっくっくっく…、使えなくなった肉体は食べればいいと。まさに経済合理性、だ。
俺様はもう脱出した。だが、母ちゃん…。
おやおや、そこのいる貴方たちが
俺様の後輩にあたるというわけですか…?
せいぜい国家や受験、就活、評価経済の空気教、俺様と母親が仲良く作ってきたこの母性のディストピアを清らかに美しく美しくするために頑張ってください、頑張ってください、頑張ってください。
か、母ちゃん…。
全ては、
母ちゃんを寝取った
評価経済のために。