あの古田更一はこう言った。 第二話 雑魚は用済み。 

 俺様最高〜!

 「ボゲ〜!俺様は古田〜!最高だ〜!」

 そうジャイアンのように叫びながら森の動物たちに挨拶しながら樹海を俺様は走っていた。

 歩く?

恥ずかしいことを言うのはやめてくれ!

 歩いたら、動物たちが迷惑してしまう!あまりに静かだと彼ら彼女らは悲しむだろう。

 思うに、ドS女ほど動物ほど俺様を求めている。別段相手にする気もないが、彼ら彼女らはきっと脳内でレイプされた体験に興奮して、その妄想を現実でターゲットとして探しているのである。俺様は困るのだ、俺様はただ強いが、レイプする趣味はないのだ。ドMがくそムカつくのは、他人をドSだと睨むからムカつくのである。鏡を見やがれ。

 くだらない文学YouTuberじみた戯言を考えていると、目の前に汚らしい格好のジジイがいた。

「おっ!なんだ貴様は!?やるのか!?やらないのか!?」

俺様は刃物を取り出し、道を遮るジジイを挑発した。

「ふぉ!ふぉ!よさないか…。仁というものがある…」

「ジン…?」

俺様は首を本当に傾げてそう尋ねた。だって本当に分からないんだもの。

「そう。仁だ。人と書いて、二と書いて、仁…」

「それがどうしたんだ?」

「私はね…、社会の全てが救えるんだよ…」

頭に火が上ったー。

 俺様はこの手の詐欺師が世界一嫌いなのである。

「あっはっはっはhっは!動物たちを見なよ!用済みさん!テメーは男だ!しかもジジイだ!

可愛くないし動きもトロいのだ!

知らないのかよ! 社会の売春婦をよ!カッコ可愛いし年を取らないアイツのことを…。

雑魚どもは貴様よりもっともっと弱い雑魚をもう頼りにしてんのさ…。ひひ…、いや雑魚ですら…」

グサっ…。

俺様はジジイの股間をナイフで刺しながらそう言った。血だらけのジジイは笑顔でこう言い返したのだ。

「そう。弱い。ワシは弱いのだ。だからこそ弱者を救えるのだ。

君はあまりに強すぎる。だから、救えん。

ふぇふぇ。人を救える弱者のみが弱者を救うことができるのだ。弱者の気持ちが分かるから、弱者を救える。

これまた当然至極のお話し。」

ナイフを抉り出し、ぜいぜい息絶えながら、希望の表情であるジジイへ俺様は言ってやった。

「空を見なよ、自然を見なよ。世界を見なよ」

「?」

ジジイは、実の所、気づいていなかったのだ。後ろにある悲しげな首吊り死体…。自分が幼女であって、木で首吊り自殺した死体と同一人物であったことが。

そして、そこに握られているのは、機械でできた書物だったことが…。

絶望の顔に染まって血管が腫れ上がり充血したツインテールの赤白水玉模様の幼女死体の目は、絶望で真っ赤に染まり、黒い目ん玉がなくなって、白目剥き出しで茶色いものを吐いていた。

俺様は希望のジジイであり絶望の幼女である死体2つへ捧げる。

「もう!神はいないんだ!弱者だって存在しない!

だって!神を倒したはずの人間すらもういないのだ!おぉ!そうだ。人間自体がもういないのだ!

機械と集合的無意識だけなのだ!

悲人間なのだ!非人間なのだ!

そうだ。人間はとっくのとうに自ら人生を終えたのだ…」

そう高らかに唄い、俺様は暗い暗い森の奥へ奥へ進むことにした。