みなさん、藤井聡さんを誤解してない?

日曜夜7時のTOKYO MXでは、「東京ホンマもん教室」という番組が放送されている。京都大学教授・藤井聡がメインパーソナリティを務める番組だ。
カオスフォレストの動画やブログを見てる人なら、よく聞く名前だろう。

藤井は、最近では消費税減税を主張していることで有名だが、10年ほど前には「国土強靭化」を訴えたことで有名になっていた。
幅広い分野で主張や研究を行なっているため、彼の思想の中核がなかなか見えないと思う人もいるだろう。だが、そういう人こそ、「プラグマティズムの作法」や「政の哲学」を読むべきだろう。藤井聡は、社会心理学を専門とする保守思想の巨人なのだ。

政治経済に関する藤井の主張「しか」見ない人は、思想や哲学の面で藤井を誤解しやすい。
だが、彼の主張の根底には、保守思想やプラグマティズムが流れており、それらを踏まえることで、バラバラに見える政策論(消費税、国土強靭化など)も繋がって見えるだろう。

藤井が主張する消費税減税も積極財政も、デフレ脱却を大きな目的としている(もちろん、それだけが目的ではないが)。そして、デフレ脱却の目的は、社会全体の悪循環を止めることであり、これは景気や賃金だけの問題ではない。
一般的にデフレとは、需要が供給を下回り、物価が下落する状態を指す。この状態が続くと、賃上げや設備投資は抑制され、需要も生産力も衰えてしまう。したがって、デフレが長引くことは貧困化を意味する。
デフレ=貧困化が進めば、悪影響は様々な分野で出てくるだろう。特に、文化・学問・技術などは急速に先細っていく。飲食店が潰れるだけではないのだ。
したがって、デフレを放置することは景気だけの問題ではなく、社会全体の大問題なのだ。

だからこそ、デフレ脱却という藤井の主張は、哲学や思想と密接に関わっている。政策目標としてデフレを脱却しようというテクノクラート的な主張ではないのだ。
日本社会そのものの「活力」を蘇らせようというのが、藤井聡の目指す大業なのだ。
そうした部分を無視して、「土木の専門家がなぜ経済を語るんだ?」と言うのは、単純に読みが浅い。
藤井聡の論説を読むなら、政策論のみならず思想にも注目するべきだ。