チョン・ドジョン(鄭道伝)は熱く面白いドラマだった

久しぶりに骨太な時代劇を見た。
韓国の時代劇は今までも何作か観てきたが、その中でもトップクラスに面白かった。
チョン・ドジョン(鄭道伝)。
日本ではあまり馴染みのない名前だが、この男は、朝鮮半島の歴史におけるキーパーソンだ。

14世紀末期、朝鮮半島には高麗という国があったが、この国は創建からすでに500年近く経ち、腐敗を極めていた。
そんな中で、世の中を良くしようと立ち上がったのが、儒学者であり政治家でもあるチョン・ドジョンだったのだ。

このドラマの見所は、高麗を立て直そうとしていたドジョンが易姓革命を決意し、朝鮮王朝を創建するまでの変化だろう。この過程で彼は、親友だったチョン・モンジュ(鄭夢周)と対立し、朝鮮の初代王となるイ・ソンゲ(李成桂)に仕え、そして後に最大の敵となるイ・バンウォン(李芳遠)から慕われるようになる。

話数がそこそこ多いだけあって、主要な登場人物同士の関係はかなり丁寧に描かれている。
彼らは皆、世の中を良くしたいという点では表面的に志が一致している。しかし、苛烈な性格と知性を持つドジョンは、より本質的な相違点を見つけてしまい、対立を余儀なくされるのだ。
中盤でのドジョンとモンジュ、終盤でのドジョンとバンウォンの問答は、そうした政治哲学の対立を象徴するものだった。彼らのぶつかり合いは、「外国の時代劇」という枠を超えて、視聴者に訴えかける熱さと普遍性を兼ね備えていた。

ウィキペディアで調べれば、当時の政情やドジョンたちの運命もすぐに分かるだろう。だが、あえてドラマの脚色に「乗っかって」みるのも悪くない。そう思える作品だった。