ゼロからはじめるUber生活〜静『強いひきこもり』は東浩紀『観光客の哲学』を超えた!?~【遅いインターネット】【宇野常寛】

  静「暇すぎるな…」

 古田「いやいやボクはキミみたいに人生にゆとりはないよ!」

 静「そうだな」

 古田「ところで、静さん…。UberEats、出前2.0にハマっているんだって…?」

静「まあね…。視野が変わったというか人生観が変わったというか…」

古田「マーケティングでもええけど、思想としてのUberEatsを話してよ…」

静「あのさ!人災の博物館じゃないけど、インターネットがまず先にあって、ご飯を食べるデジタル人間なんだなっていうある種のSF人間を体験できるんだな。超便利つーか天才、生活の大革命というか…。具体的に言うとね、コロナ以前、まあ、古田さんが以前にプライベートで話してくれた通り、コロナ以前以後ではボクたちの生活スタイルは変わってしまっている。そこと連動するようにUberEatsはある。ボクみたいな圧倒的な人生の強者でも、やっぱり東京という街に依存しちゃっているわけ。美味しくて安くて雰囲気のいい店で飯を食おうと思ったら、ボクみたいな圧倒的な人生の強者でも街をわざわざトボトボと歩き回って、孤独のグルメをしないといけないという悲劇があった…。いや違う。鬱ご飯だね!」

古田「野原ひろし…昼飯の流儀じゃないの?」

静「あんなに面白くないんだって!キミの知る通り、ボクは病的な人間不信だからね。しっかりとしたお店かどうかいちいちチェックしないと食べられないという不安がある。それに当たり外れが大きいわけだけど、大盛りを注文したり、店長のオッさんのギラギラした目が目の前で光っている手前、マズかったご飯を残しようもないでしょう…。ご飯を食べるっていうのは意外と精神的な負担でもあるし、味以前や値段以前に、歩き回る時間や労力を含めて、安心やお手軽さをもっと食べたいっていうのはある…」

古田「そこで…」

静「そう。UberEats〜!ってわけ」

古田「ドラえもんみたいに言わないでよ。ボクはぁ〜、ジャイアンにイジメられてないぜ」

静「いやいや!革新的なサービスなんだな。なんたって、東京中のあんな店こんな店どんな店でもほぼ24時間注文して食べれちゃうっていうんだから、こんなに便利なサービスはない。これってただの配達サービスって言われているけど、全く違っていて、食の革命なんだよ。古田の旦那のアイデアほぼ丸パクリだけど、実感で話すね!わざわざお店で食べなくていい!家でみんな引きこもって食べちゃえばいい!そして!そこに新たな労働者の雇用、お手軽な雇用が生まれる!っていうね!

古田「そうか…。コロナ後に午後8時閉業のお店ばかりでボクは最近辛いんだよね…。土日も含めてチャイム労働(苦笑)、つーか10代の中坊じゃないんだからさ、寮生活かよ笑。いつなんときもチャイムのある生活を強いられていて、地味にはじめは戸惑ったのよね…。経済成長も落ちちゃいそうだしね…。だけど!最近、ボクは開き直ってお弁当サービスっていうのにハマっている。普通にお店に足を運んで、ただお弁当を買うだけなんだけど、地味にお弁当の方が安いし、お手頃だし、多かったり少なかった量を調整できちゃうし、スマホをやりながら周りの目線を気にせず、食べれちゃう楽しさっていうのはある…。そういった日常レベルの外食なら、お弁当でよくね?っていう新たな生活実感を教えてもらったっていう気はする」

静「確実に食の革命が起きているよね。もうボクはUberEatsを手放せないよ。人災の博物館でボクらが提示した通り、現実空間からSNSという価値観ではなくて、これからはSNSのヴァーチャル空間による選択から現実空間へ影響を与えるという発想の切り替えが起きている。もう日常レベルで生き方や労働観が変わっているわけだよ」

古田「もう強いひきこもりっていうフレーズが登場しそうですよね。静さんってほとんどリモートで家を出ない。それで毎日パソコンや電話、zoomでわちゃわちゃやっているウチにマネーがプライベートバンクへ投下され、スマホ片手でグルメも投下されていく。もう身体を動かさずに、セカイがキミへ動いてくれちゃっている」

静「はいはいはい!」

古田「だからさ、コロナってあれはロルフのセリフを何度も引用するけど、バイオハザードつーよりも、ソーシャルハザード、人災なわけ。ひきこもうもしくはSNSを見てようっていう価値観が観光客の哲学、旅行の哲学に勝った瞬間だったんだよ」

静「大体、観光客の哲学とほざきながら、シラス丼を食べながら信者同士で引きこもるのも流行っていますしね。家族の哲学と唄いながら、若者潰ししまくるようなもん」

古田「まあボクもキミも彼のように旅行が好きだから、赤羽やあいりん地区へ取材しに行ったわけじゃん。でもそれは一握りの強者の話しで、大半の人間は旅行も実は好きじゃないし、仲の良くない他人とそんなに喋りたくないんだと思うよ。その爪の甘さが彼にはあった。と同時に、ロルフさんの限界が出ていると思う。というかインテリの限界かな。彼は極めて有能で優秀な人間なんだけど、彼のように世界中を旅行し、多言語を操り、他者と喋りまくり、労働をたくさんしまくり、経済成長を底上げする…」

静「そんなロルフさんみたいな強者はマクロ、ミンナにはいないってわけだな。だから、ロルフさんの怒りに反比例するように、ひきこもりや弱者には便利なサービスが提供されていく」

古田「あいりん地区の有名な取材本があって、何度もボクは読み漁っていた時期があったけど、生活保護を授与している人々は基本的にお弁当だね。これなんでかというと、諸説あるけど、デザインや編集をかじったきた人間からすると、お店っていうのは、ブランドや環境も含めて商品なわけ

静「見栄…」(死んだ魚の顔…)

古田「そう笑。だけどさ、一応ボクの業界だって大事だし面白いから、ソッポを向かないでよ〜!」

静「イタタ!」(頰をツネられる)

古田「相変わらずどうしようもないな(怒)。んで、話を戻すけど、外食がなんで楽しいかと言えば、味や値段なんかよりもお店の雰囲気や演者の演技が楽しいから、ガァーと食べちゃおう!っていうのはある。意外とここで経済活動っていうのは動いているし、お店はここに力をよく入れるからこそ、cmを打っている

静「あ〜だから、お弁当って安いんだね」

古田「そう笑。そういったデザインやマーケーターによる非日常性をお弁当という日常のコスパ性と見栄えのなさで剥ぎ取られてしまった笑。貨幣経済空間の日常化、まあボクがよく言う評価経済って貨幣経済を日常レベルへ浸透した結論だよねっていうことだった。まあこの話しは難しいから飯野広さんやまつたけ大王さん、宇野常寛さんクラスにしか伝わないと思うので、今回は説明を省くけどね」

静「?ナニを言っているか分からないけど、直感的に人災の博物館のテーマを感じるね、souichiさんとかにはいきなりは難しい話そうだ」

古田「まあそういうこと」

静「でも、古田はどうしてUberEatsじゃなくて、OBENTOUを買いに行くんだい…?」

古田「それはボクもけっこうのところ、ロルフさんに近いから笑。基本的にアクティブなんだよ。家で自炊するってスゴい嫌でさ。ボクはご飯自体がコスパよく食べたいんじゃなくて、お店のお客さんやシステム、マーケティングも調査したいわけ。目と足でね。普段からそうやって飲食の経済活動の現場をできる範囲で観察しないと、投資の相場観は磨かれないのだし、批評なんてなおさらそうだよ。ぶっちゃけ読書よりもこういった取材が一番勉強になる。例えば、あ…この店はすぐ3ヶ月で潰れちゃうな…あ!この店は3年以上保つよね!っていうのはよく当たる」

静「古田っちらしい話だ笑。批評ロボットだね、ホンマ笑」

古田「でも、コロナ自粛後も旅は終わっていない。現実の観光をしたいって気はしていてさ。ほら!たまにゲーセンに行ったり、クレープを食べたくなっちゃう。あのポストモダンっていうか、退廃としたシュミラークルな文化なき文化、アメリカンナイズされたものを観光するのもプラグマティックで楽しいと思うわけ。そこはあまりにベタなロルフさんと違っていて、世界を旅行とかマジでしたくないんだよ。東京やニューヨークに住む人間がわざわざ他国へ旅行するってむしろ欺瞞に感じるんだよね笑。むしろ他国を知るっていうことは、いい国に住んでいる場合は基本的に旅行しないっていうのはあるでしょう」

静「?もうちょっと詳しく説明して。俺は確かに頭いいけど、そういった分析は苦手なのは知っているだろ。まあキミに比べてっていう話しだけどね」

古田「ごめんごめん!う〜ん…。なんて言うんだろうな〜…、その…自粛した上でも観光はできちゃうし、それこそが実践の観光じゃね?と思っていてさ。ほら!ボクは昔小ちゃい頃一時期だけ田舎に暮らしていたことがあるんだけど、ジャスコ!

静「ジャスコ?」

古田「ああいったデパート、なんでもあるデパートを古田少年はニコニコと走りまくる、ああいった土日の家族生活ってボクスゴい大好きだったわけ。田舎あるあるだけど、何にもないから、土日はみんなジャスコへ行くしかないわけ。んで、同じ学校や同じ職場の人に土日にも会うと笑。でも、田舎なのになんでもあるんだよね、ジャスコって。お母さんの楽しいショッピングもお父さんの好きなゴルフショップも、もちろんキッズたちのゲーセンだって。ああいった合理的すぎる箱って実際に面白いし、コロナ以前から流行っていたわけじゃないか。んで、ただ東京文化がこういった田舎文化に侵食されたっていうだけの話でもあると思うわけ」

静「あ〜なんとなく分かってきたぞ…」

古田「そうそう。んでさ、キミはコンビニが好きだし、ボクはファミレスが好きで、便利なものってやっぱり便利だから好きだよね、ぶっちゃけ海外旅行なんぞよりは日常でいてほしいっていうのは当たり前にある。大体さ、海外旅行に簡単に思い立ったら行けちゃうっていう戦後の牧歌的な体制がそもそも異常だったんだよ。だってさぁ〜異国と異国というのは内政の違いから齟齬が大きいのが当たり前なんだから。バイデンは中国ファーストで日本軽視とかいう俗説もあるけど、真偽はともかく国際状況を無視して旅行するのはちょっとオツムが弱いよねっていうのはある」

静「そうなると、今後の若い子たちは海外旅行を全くせずに、スマホの情報だけでムービーやアニメ、ドラマだけ輸入して、んで、海外旅行は金持ちや強者だけの特権になってくると…。うわ〜、すんげ〜パラダイム変化だなぁ〜」

古田「そうだね。東浩紀を持ち上げたくないけど、ゼロ年代はアーキテクチャ、建築の思想っていうのも実は流行っていた。簡単に言うと、ジャスコとニコニコ動画など。オタク批評ばかりが取り沙汰されるけど、本当に今アクチュアリがあるのは、ゼロ年代の濱野智史や建築家たちのアーキテクチャ論だとボクは思うね」

静「その話しってさぁ〜、メルカリとかの流通サービスの話とも親和性があるように聞こえちゃうけど…」

古田「そうだね…。実はそこも面白くて…」

後半に続く…

(静「知能指数の低さに酔っている痛々しいキミらだけを相手にせず、強者のボク相手なので、いつもに増して古田さんは難解な話をしていますが、赤羽取材レポやあいりん地区取材は強者のボク向けに話しているため、もっと深い話をしています。こういったもっと深い話に関心のある方は、赤字100万円プロジェクトカオスフォレスト雑誌シリーズもどうぞ」)

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