凡俗な百冊より精強な一冊を読め

以前のブログでも触れたが、私は本を読むのが遅い。
具体的にどれだけ遅いのかといえば、多くても月に4冊しか読了しない程度には遅い。
このようなペースでは、今まで読んだ本の量など到底自慢できない。
しかし、私は(年齢や活動歴を考慮すれば)自分の知識量にある程度自信を持っているし、大半の人間より有意義かつ効率的に読書をこなしているつもりだ。
そこで、今回は私なりの読書術を3つ書きたいと思う。

①出版社で差別しろ

これは当たり前の話だが、良質な出版社の出す本を集中的に調べた方が、良い本に出会える確率は高い。世の中の出版社には、粗悪な本ばかり出すところもあるからだ。
また、思想色が強すぎる出版社の本を安易に読むと、気づかないうちに偏った読書ばかりすることになる。自分と近い政治思想の出版社は、敢えて避けるぐらいの自制が必要だ。もちろん、わざわざ思想面で正反対の出版社を選ぶ必要もないのだが。
私が特に好む出版社とレーベルは、白水社、みすず書房、藤原書店、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫などだ。岩波文庫も悪くないし内容も豊富が、レーベルとして好きではない。

②速読するな

ビジネス本のようなものはともかく、古典や専門書を速読で済ませるのはもったいないし、消化不良になりがちだ。だから、なるべく丁寧に読んだ方がいいだろう。仮に速読するとしても、繰り返し読むべきだ。
そうすることで、内容を深く理解できるし、古典のありきたりな解説を垂れ流すブロガーやYouTuberの胡散臭さを見抜けるようにもなる。

③読書を無理に習慣化するな

私の遅読の大きな原因として、本を毎日読むわけではないことが挙げられる。
PSYCHO-PASSの槙島が言うように、本を読んでも内容が頭に入って来づらい時というのは確実にある。私の場合、そういう時は他の用事が気になっていたり精神的に疲れたりしていることが多い。そんな時に本を開いても、眠くなるだけだし、用事は片付かず疲れも取れない。だから、読書よりそれらの解決を優先するのだ。

以上が、私なりのちょっとした読書術である。このブログを読んだ皆さんの役に立てれば、私としては何よりだ。
最後に、私が特に面白いと思った本を何冊か紹介しよう。パッと思いついたものを選んだので、ジャンルはバラバラだが、どれも私に深いインパクトを与えてくれた。

・大国政治の悲劇
国際政治学の名著。著者のミアシャイマーは徹底したリアリズムに基づいて、過去に起きた大国間戦争を分析しつつ、将来のアジア情勢についても冷静に予言している。米中関係が悪化する今こそ必読。

・富国と強兵
中野剛志が著した渾身の一冊。近代において、戦争と経済成長の間にどのような相互作用が存在したのかを明らかにしている。ケインズ主義と新自由主義がそれぞれどのように台頭したかを知る上でも重要な文献。

・ブラッドランド
スターリンとヒトラー、人類史に飛び抜けた悪名を残す2人の独裁者は、東欧をブラッドランド(流血地帯)に変えた。本書は、その生々しい実態を真摯に描写する。

・幕末の天皇
18世紀末に即位し、天皇の在り方を大きく変えた光格天皇。そして、光格天皇の孫で明治天皇の父でもある孝明天皇。2人の天皇の生涯を通じて、幕末の歴史を捉える名著。

・ギルガメシュ叙事詩
Fateで一躍有名になった英雄王ギルガメッシュ。彼を主人公としたギルガメシュ叙事詩は、まさに神話の中の神話だった。太古の物語を堪能せよ。

・われら
ディストピアの中で生きる男の葛藤とその顛末を通じて、人間らしい生き方とは何かを問う。建国間もないソ連の行く末を風刺したディストピア小説の金字塔。

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